医療における情報管理

先日、ある病院で検査をして「○○大学病院で検査したほうがいい」と言われたときに、血液検査とエコーの検査の結果をください、と言ってコピーをもらいました。その日のうちに大学病院にいき、かかりつけの病院でこうこう言われたので、と事情を説明。そして担当医が診察をしてくれたのですが、「血液検査をする」と言う。すでに受付で、資料を渡しておいたのですが、目を通してはいただけていなかったようで、私が手を伸ばして「これ、今朝取った血液の結果です」と示して、検査の重複を避けることができました。
エコーについては、大学病院で専門の医師による再検査が行われ、これは致し方ない。医療費の高騰、と言いますが、医療情報が各病院で保有されて共有されないことの問題はどう取り扱われるべきでしょうか。本来、医療の個人データはその個人に保有する権利があると思います。
個人管理とは個人で持ち帰るということを特に意味してなく、患者の承諾があれば医療機関でのデータの共有は患者にとってもメリットがあることだと考えられます。
最近は入院時に個人情報保護の説明があり、患者の名前を病室に掲示することなど、あるいは医療上の必要で個人情報を利用することがあることの承諾を求められます。個人情報保護以前に、医療機関では検査や診察の際に、患者から人間の尊厳を失わせるような思いを抱かせることがいろいろあるのです。よく病室内でそんな話が出てきます。
医療機関・医療従事者と患者の信頼と協力の上にしか、よりよい医療は成立しません。医療におけるムダをなくすと言うならなおのことです。また、医療事故に対する対策としてだけのインフォームドコンセントは、かえって患者側に「病気は自分で治すもの」との意識を持たせることから遠ざけてしまうと思うのです。一応、リスクについては説明しておきましたからね、というようなもの。これでは、結局医者に任せるしかない、という諦めにしかならないのです。
インフォームドコンセントは、治療の拒否も含めて、患者自身が治療方法を選択することを保証するために必要なのです。問題は今の医療のシステムの中で、どうしたらいいかを悩む患者の相談役は多くないということです。
とにかく。説明を求めてきちんと答えない医者にかかる必要はありません。薬、についても同じです。
残暑厳しき折、皆様も健康にはご留意されますよう…。