ヒッグス粒子

 議会では、地元的には最大級に政治問題化された事件について、対応策を協議していて、また一方、国政では原発事故調査委員会の発表がなされ、非常にも区受け止めるべき問題として読み込まねばならず、首相官邸前は先週に引き続き多くの市民が参加しています。
 先日報じられた、ビッグニュースであるヒッグス粒子についての解明、についてコメントする気持ちにもなれないほど、いやな気分にさせられていますが、我慢して、触れます。その上で、このことに触れた真意を、感じ取ってほしいです。
 宇宙の起源、または宇宙の姿、こうしたテーマに取り組むことに関心があります。人間すべてがこのテーマに関心を持つ必要は多分ありませんが、わからないことを解明する姿勢は本来人間社会を豊かにする行動ですから、肯定的側面だといえます。
 粒子の研究は、スーパーカミオカンデという名前で記憶されている方も多いでしょう。日本でも有数の研究がなされています。ニュートリノ理論など、宇宙の解明には欠かせません。
 参考→東京大学宇宙線研究所・神岡宇宙素粒子研究施設

 ヒッグス粒子、については以下のページなどがわかりやすい説明をされています。キッズ向けですが。→ 「ヒッグス粒子と質量」
 宇宙誕生直後は質量が存在しない粒子が飛びまわっている、というのが前提で、しばらくすると質量が生まれる、ということの説明です。しばらくすると、といっても、ほんのわずかの間でしかありませんが。このサイトの解説、「このエネルギー領域には次世代の加速器LHC(スイスで建設中、2007年完成予定)やILC(計画中)で到達できるので、ここ10年以内にヒッグス粒子は発見される可能性が非常に高いのです」でもわかるように、解明が予想された分野でもありました。
 
 さて、私が何度となく、超新星爆発などや物理学の発展などを取り上げてきたなかで、加速器、については取り上げたことが多分なかったかと思います。議会での発言で触れたことは確かあると思いますが。
 元素の中で、自然界に存在しない、加速器で作られた元素がある、という形で議会で触れました。で、そんなものが生み出されなければならなかったのだろうか、と。宇宙の起源を確認するという意味での研究過程で生み出されたともいえるので私としてはこんなに悩ましいものはありませんが、原子核研究のテーマである以上、核開発と一体となっている側面を見なければならないからです。

 宇宙の現実も核分裂核融合はそれがなければ「今」がないわけで、必然であって必定なわけです。ですが、それをなんのために、どのように人類は研究し、または制御するかということです。

 物理学的な進歩と新たな解明を喜ぶと同時に、そのことに従事する世界中の学者のために、またはそのために費やされる高額な予算の確保を思っても、原子力を発電に利用する愚を、即時改めてほしい。儲けの道具にする、人間という動物の、あさましき面を、制御してもらいたい。心から思うのです。

 ということを、私は考えています。